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お知らせ

自動車の『安全』の裏側

自動車の『安全』というと、皆様は何を思い浮かべられるでしょうか?

通常走行における、『操縦安定性』とかカーブでの『旋回性能』といった『走行安全』、

周囲の車両、障害物、交通弱者への衝突の危険に対し、警告、ブレーキ、操舵によって事故を未然に防ぐ『予防安全』、

万一、衝突事故が起きたときに、エアバッグが開いたり、車体の衝撃吸収構造などで被害を軽減する『衝突安全』、
などを思い浮かべられるでしょう。

さらに最近では、走行中にドライバーの身に病気等の何らかの『障害』が発生した時に、

安全な場所に自動車を退避させる技術なども実用化されています。


最近の自動車の『安全』技術の大半は、『電子制御』という基盤技術によって実現され、
その基盤技術を実現するために、専用コンピュータ(ECU※1)やECUどうしをつなぐ電子ネットワーク構造が施されています。

さて、この『電子制御』技術ですが、他の車両部品・機械部品と同様、万能ではありません。

故障や異常はもちろん、経年劣化が必ず付きまといます。
また、商品の使用方法に関して、製造者の意図とユーザーの使い方が異なっていると、

想定外の事象(事故)が発生するかもしれません。
さらに最近では、自動車をスマホ等を用いて外部から遠隔操作される事象も実際に発生しています。

 


こういった『電子制御』だからこそ起こりうる『脅威』に対して、

『技術』、『プロセス』の両面でユーザー等の交通関係者の『安全』の担保するとともに、

ユーザー等が安心して自動車を使用できるよう、『安全』を『証明』することが、我々の仕事です。

 

具体的には

電子制御システムが異常や経年劣化にさらされても、交通関係者の安全を守る『機能安全』、

電子制御システムの性能限界や想定ユースケースをHMIを用いてユーザーに理解させ、誤使用を未然に防ぐ『SOTIF※2』

外部からの電子技術を用いた脅威に対して、自動車の電子制御システムを守る『サイバーセキュリティ』

この3つが重点ポイントとなっており、自動車業界では『自動車電気電子3安全』と呼ばれています。

 

弊社は自動車メーカーでも部品サプライヤでもありませんので、車両を作ることは行いません。

弊社の役割は自動車メーカーや部品サプライヤで実施されている、『機能安全』『SOTIF』『サイバーセキュリティ』担保の活動が、

第3者が納得する形で行われているか、をアセスメント・監査していくことにあります。

弊社は自動車『機能安全』の国際規格ISO 26262の認定技術者の資格を有しているほか、
『SOTIF』『サイバーセキュリティ』に関しても、認定資格者と同等のノウハウを有しております。

また、将来の自動車の安全開発において、自動車業界だけでなく、他業界、学術機関を巻き込んだ新しい手法を検討しています。

現在、弊社は、

電子制御システムの大規模化・複雑化に対応すべく、MBSE※3を活用した新しい開発手法の検討、

AI搭載システムにおける『機能安全』『SOTIF』『サイバーセキュリティ』の担保

に取り組んでおり、

前者は関連会議体の主要メンバーとして活動し、後者はAI安全に関わる認定資格を有しております。

『百年に一度の自動車変革期』が叫ばれている今、
この変革期を支えているこれらの技術であり活動そのものを、世間一般に周知させていく必要があると考えております。
今後、技術開発のみならず、広報活動、ロビー活動にも積極的に行っていきたいと考えております。

社会で生きている皆さまのために。

 

※1 ECU:Electrical Control Unit
※2 SOTIF:Safety of the Intended Function

※3 MBSE:Model Based Systems Engineering